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3.2 観測 観測は滋賀県南部に位置する桐生水文試験地(34°58′N、136°00′E)に設けられた微気象観測塔において行った(図-3.1)。桐生水文試験地の1972年から1981年までの年間平均気温と年間平均降水量はそれぞれ12.6℃、1671.8 mmである(Fukushima, 1988)。微気象観測塔周辺はヒノキ(Chamaecyparis Obtusa)の閉鎖した樹冠をもつ森林で覆われている。1994年11月においてタワー周辺の33本のヒノキについて調べたところ、平均樹高は13.8 m、平均生枝下高は8.6 m、平均胸高直径は15.1 cmであった。これらの値と本地域におけるヒノキの標準的な葉面積指数の関係から、タワー周辺のヒノキの葉面積指数は約3.0と算出された(田中ら, 1996)。また、タワー周辺の0.1 haの範囲における立木数は196本であった。 樹冠上フラックス測定は、無降雨日である1994/5/23、7/13、8/6、10/4、12/22、1996/11/12、11/13、1997/2/18、2/20、5/23の10回にわたって、微気象観測塔上の高度20.5mにおいて行われた。渦相関法によるフラックス算定のための測定は、三次元超音波風速温度計(KAIJO, DAT-310)と、開光路式CO2・H2O変動計(アドバネット、E009A)を用いて行われた。渦相関法によるフラックス算定のための測定項目は、三次元の風速成分、気温・CO2濃度・H2O濃度の変動成分である。変動 図-3.2 微気象観測塔および測定器配置 Micro meteorological observation tower and instruments 図-3.1桐生水文試験地の位置および地形 Location and topography of Kiryu Exp. Forest 成分の測定は10Hzで行われ、フラックス算出のための平均化時間は、1994年の観測では約9分間、1996年および1997年の観測では約15分間とした。運動量、顕熱、H2O、CO2の各フラックスは次式より算出される。 (3.1) (3.2) (3.3) (3.4) ここで、tは運動量フラックス(g m-1 s-2)、Hは顕熱フラックス(W m-2)、EはH2Oフラックス(g m-2 s-1)、FcはCO2フラックス(mg m-2 s-1)、raは空気の密度(g m-3)、Cpは定圧比熱(J g-1 K-1)、Pは大気圧(hPa)、mCO2はCO2の分子量(≒0.044 mg mmol-1)、Rは気体定数(8.31, J mol-1 K-1)、Taは気温(K)を表す。また、ca'はCO2濃度の変動成分(mmol mol-1)、Ta'は気温の変動成分(K)、ea'は大気水蒸気圧の変動成分(hPa)、u'は鉛直風速の変動成分(m s-1)、w'は鉛直風速の変動成分(m s-1)を表し、―は、それぞれの時間平均を表す。 H2Oフラックス(E, g m-2 s-1)は、水の気化潜熱(l, Jg-1)を乗じることで、潜熱フラックス(lE, W m-2)となる。鉛直風速については、光田ら(1987)の方法に従い、風速の水平成分と鉛直成分からなる平面において座標系を回転し、時間平均の吹き上げ角が0となるように補正を施した。気温の変動にともなう大気の密度変動の効果については、Webb et al.(1980)と同様に補正を施した。 モデルの入力データとなる水文・気象要素として、フラックス測定と同時に、樹冠上において、全天日射計(EIKO, MS-42)、放射収支計(EIKO)、通風乾湿球温度計、赤外線ガスアナライザー(LI-COR, LI-6251; LI-COR, LI-6262)に接続された空気採取口、三杯式風速計(牧野応用科学)を設置し、全天日射量、純放射量、気温、大気水蒸気圧、大気CO2濃度、風速の観測を行った。これらを約5秒間隔で測定し、10分毎に平均値を記録した。1996年10月1日から1997年9月30日の一年間については、連続した全天日射量、純放射量、気温、大気水蒸気圧、風速の観測データが得られている。 図-3.2に観測機器の設置状況を示す。ただし、三次元超音波風速温度計、CO2・H2O変動計およびガスアナライザーは、集中観測時のみ設置した。


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田中広樹