第2章
亜熱帯常緑広葉樹林におけるH2O移動と流出特性
−中華人民共和国江西省九連山流域・シイ林−
第2章 亜熱帯常緑広葉樹林におけるH2O移動と流出特性
−中華人民共和国江西省九連山流域・シイ林− 6
2.1 はじめに 6
2.2 対象流域 6
2.3 方法 7
2.3.1 HYCYMODEL 7
2.3.2 ポテンシャル蒸散速度の算出方法 11
2.4 結果 12
2.4.1 年間の水収支 12
2.4.2 ポテンシャル蒸散速度 13
2.4.3 流出 13
2.4.4 水収支の成分 15
2.5 考察 16
2.5.1 HYCYMODELのパラメータ比較 16
2.5.2 HYCYMODELを用いたシミュレーション 17
2.6 まとめ 20
森林には様々な公益機能がある。水文学的見地からみると、これらの機能は、大きく二つに分けられる。すなわち、森林からの蒸発散と森林土壌の保水・透水性に関する機能である。これらの機能は、気候、地質、地形、森林の規模、土壌の水分特性、植生などによって影響を受け、その結果、森林毎に大きく異なる。したがって、それぞれの森林において、それらの要素の違いを定量的に解析することが重要である。
本章でとりあげる中華人民共和国江西省南端に位置する九連山流域は、亜熱帯モンスーン地域に位置し、大半が天然の亜熱帯常緑広葉樹林で覆われている。本章では、九連山流域における流出特性を定量的に評価するために、降雨と流出応答関係に、水循環モデル(HYCYMODEL)(福嶌, 1987; Fukushima, 1988)を適用する。九連山流域の水文特性を特徴づけるモデルパラメータを決定し、数値実験によって、対象となった流域におけるH2O移動速度を移動の成分毎に明らかにする。
さらに、九連山流域における流出特性の特徴を明らかにするため、典型的な日本国内の温帯林流域において報告されている結果とパラメータについて比較検討を行う。