2.4 結果 2.4.1 年間水収支 年間水収支の式は次式のように表せる。 (2.28) ここで、P、Q、E、DSは、それぞれ、年降水量、流出量、蒸発散量、貯留量変化である。水収支を計算する期間を一年ととる場合、大まかには、DSの値は、ゼロとみなせる。したがって、Eの値は、次式より計算される。 (2.29) 表-2.2 年間の水収支 Annual water balance year precipitation discharge difference No.1 No.2 No.3 No.1 No.2 No.3 88 1865.3 319.8 - - 1545.5 - - 89 1664.0 533.5 - - 1130.5 - - 90 2052.7 474.9 991.2 - 1577.8 1061.5 - 91 1380.1 207.3 574.5 717.7 1172.8 805.6 662.4 92 2100.1 656.3 1211.8 1411.4 1443.8 888.3 688.7 93 2339.7 699.7 1372.7 1541.7 1640.0 967.0 798.0 94 1943.0 - 924.1 - - 1018.9 - 表-2.2に、1988年から1994年の気象観測露場において観測された年降水量(P)、3つの小流域で観測された流出量、および、降水量と流出量の差(P-Q)をまとめた。降水量に対する流出量の割合は、第1流域、第2流域、第3流域において、それぞれ、約25%、52%、63%であった。第1流域において観察される降水量と流出量の差は、一般的な見地から大きく外れ、年間パン蒸発量と比較しても非常に大きい。年間パン蒸発量は、1990年に827 mm、1992年に878 mmであった。この不一致は量水堰の水漏れが原因と考えられる。一方、第2流域と第3流域の観測結果は、類似した。第3流域では、北向き斜面であることから日射が少なく、蒸発散量が少なかったと考えられる。したがって、第2流域および、第3流域を九連山地域を表現する典型的な流域とみなすこととした。以下では、第2流域についての観測結果と解析を議論する。 図-2.6月平均気温、日射量、純放射量、ポテンシャル蒸散速度の変化 Annual change in monthly air temperature, vapor pressure, solar radiation, net radiation and potential transpiration rate