・従来の自然科学一辺倒の地球環境シミュレーションに、 フィールドベースのより現実的できめ細かい人文社会学的知見を如何に組み入れるのか? 地球環境問題を取り扱う上での最大の課題「文理融合」に真っ向から取り組みます。
・湿潤域における最も重大な環境問題は洪水です。 洪水に対しては、通常は、想定される最大の洪水に対応できるダムや堰堤、遊水池などのハード面の整備と、 ハザードマップ作成、予報警報と避難のシステム構築というソフト的対策が重要となります。 降水量の変化、降雨−流出応答のメカニズム解明、洪水流出予測などの面で、 洪水対策の前提として、水循環メカニズムの理解は、重要な役割を担います。
・しかし、湿潤域においては、渇水問題は発生しない
(渇水問題もしばしば発生しています。雨季以外の水資源の安定性は重要な課題です。2008.10.29)
し、水質汚染の問題も軽微です。
従来の環境問題研究においては、洪水対策、豪雨災害対策などに関連するものを除けば、
湿潤域の水循環に関する研究は重要視されてきませんでした。
しかし、湿潤域では、水循環のフローの絶対量が大きいため、ここでの水循環の変化は、
領域における変化率としては小さい変化であっても、
周辺領域・地球全体に対して、少なからぬ影響を与え得ると考えられます。
特に、湿潤域に隣接する乾燥域の水循環に対しては、上述の乾燥域の渇水問題を考える上で無視できない影響があると考えられます。
(湿潤域では、湿潤であることを前提として社会が成り立っている。
例えば、天水に依存した農業は豊富な水資源を前提とするが、
一方で、水循環の変化に対して、脆弱かつ、不安定な側面をもつ。2008.10.29)
・真の環境問題解決のためには、対象となる領域(流域)だけを見るのではなく、 周辺領域および地球気候システム全体についての理解が必要不可欠なのです。 特に、水循環フローの絶対量の大きな湿潤域の水循環に関する理解は欠かせません。