Hong-Bing SU et al.(1998) Turbulent statistics of neutrally stratified flow within and above a sparse forest from large-eddy simulation and field observations, Bound.-Layer Meteorol. 88, 363-397

Abstract
疎らな森林内部および樹冠上の中立・層状のシアーが駆動する流れの乱流統計量を、大規模渦シミュレーション(LES)から示し、背が低く葉面積密度の小さな落葉樹林内部および樹冠上で観測された乱流統計量と比較する。 LESから得られた1次モーメントおよび2次モーメントは観測値と良く一致した。 LESから得られた3次モーメントは観測値と同符号となり、同様の鉛直分布形状を示すが、LESではそのような高次モーメントについては小さな値しか得られなかった。 乱流スペクトルおよびコスペクトルは、LESと樹冠上の観測値でよく一致した。しかし、高周波域でLESのスペクトルは観測値に比べて急勾配を示した。 LESの分解能スケールの流れ場に関する象現(quadrant)解析および条件(conditional)解析は、観測と一致した。 例えば、以下のような事象は、LESと観測の双方で見られた。 森林内部の運動量輸送において掃出(sweeps)が駆出(ejections)よりも重要であり、内部または外部への相互作用の寄与は、林床付近以外では、ともに小さい。 運動量と物理量(scalar)の輸送の断続性は、森林への深さに伴って増える。 森林内部と樹冠上の複数高度での受動的物理量(passive scalar)の時系列変化における立ち上がり(ramp)構造は、タワーで観測されたものと類似している。 passive scalarと風速ベクトルの2次元(高さ−時間の2軸)等値線図は、sweepsとejectionsを示し、地面付近の気圧の変動特性は、タワー観測から推測されるものとほとんど同じである。 LESに用いた限られた格子分解能(2m×2m×2m)と領域サイズ(192m×192m×60m)にもかかわらず、最も重要な森林内部および樹冠上の乱流特性の解像が可能であるということが示された。

1. Introduction
LES:解像可能な流れ場の直接計算+サブグリッドスケール(SGS)共分散とソース/シンク項のパラメタ化
森林内部および樹冠上の乱流計算の先行研究:Shaw & Schumann, 1992; Patton et al., 1994, 1995

Shaw & Schumann(1992):葉面積指数の効果、浮力の効果
Patton et al.(1995):乱流力学的エネルギーについて、樹冠面の水平不均一の効果
Kaimal & Finnigan(1994)の示唆:樹冠上接地層では概ねコンスタントフラックス→LESでは樹冠上で単調減少(cf. Reynolds stress)
Shaw & Speginer(1987)やLeclerc et al.(1991)の観測結果:樹冠直上での急激な変化は見られない→LESでは見られる
樹冠付近の乱流は強くシアーが駆動→本研究ではLAI=2の森林での中立・層状・シアー駆動の流れを対象とする。
水平均一を仮定。高さ方向は樹高の3倍までとする。最上部で擬似的な運動量放出源を設定する。

Shaw & Schumann(1992):樹木の効果→SGS力学エネルギーの消失
Kanda & Hino(1994)、Patton et al.(1995):SGSエネルギー消失分を解像スケールへ繰り込み。wake production
Amiro(1990):LESで計算される樹冠部での慣性小領域スペクトル勾配は観測される-5/3乗よりも急勾配なものとなる。
本研究:wake productionを考慮。森林内ではSGSパラメタの定数を変化させる。

2. Methodology ざくっと省略、見出しのみ
2.1 The large-eddy simulation
2.1.1 The governing equations for the resolved-scale flow field
2.1.2 Parameterizations of SGS covariances and sources/sinks
2.2 Computatinal Specifics

3. Data analyses
3.1 LES output 20分間30秒間隔の3次元データをセーブ。ポイントデータは1Hzでセーブ
3.2 Experimental data KaijoのSAT、カナダ、オンタリオ、LAI=2〜2.5ぐらい。落葉樹林、10月のデータ。
3.3 Analytical procedures
観測に基づく乱流統計量は1点の時間平均を用いる。
各30分の局地的平均横風および鉛直風速がゼロとなるように軸回転を行う。
LESの出力からは、水平平均と時間平均の両方を用いて、乱流統計量を算出する。
上端付近は壁近傍流れとなるので、2/3のみのデータを示す。(樹高の2倍=通常のタワー観測高度)
時間平均と水平平均はほとんど同じになった。主に水平平均で示す。

4. Results and discussion
4.1 Vertical profiles
4.1.1 Mean longitudinal velocity and scalar concentration 良く一致。樹冠上対数則、森林内指数則
4.1.2 Kinematic fluxes (covariances) and correlation coefficients fluxは良く一致。相関係数は林内で過小
4.1.3 Turbulent kinetic enegy(TKE) 林内のSGS-TKEが非現実的に大きい。
4.1.4 Variances 森林内部はやや不一致。LES風速ばらつきが小さく。LES-scalarばらつきが大きい
4.1.5 Third-order moments
長軸(longitudinal)風速の歪度は正、鉛直風速の歪度が負。
符号と分布形状は観測と一致。しかし絶対値が小さい。半分ぐらい
横風の歪度は、ともにゼロであった
3次モーメントも同様の結果であった。
4.1.6 Mean drag force and drag coedfficient
だんだん話がややこしくなってきたので、後日
4.1.7 Eddy diffusivities
4.2 Spectra and cospectra
4.3 Quadrant and conditional analysis
4.4 Signatures of coherent structures

5. Conclusions