last update 09OCT2003
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接地境界層研究関連の文献イントロ集
Siebert,J, Sievers,U, and Zdunkowski,W.(1992) A one-dijmensional simulation of the interaction between
land surface processes and the atmosphere, BLM 59, 1-34.
タイトル:陸面過程と大気の間の相互作用の1次元シミュレーション
イントロ:メソスケールとグローバルな気候モデルには、大気に関する数式用に下端境界条件の精密な記述が必要である。
様々な広範囲にわたる大気境界層の調査によって、入射する太陽エネルギーの再分布は、地表面でのッ物理過程に強く影響
されることが示されている。したがって、上空に広がる大気に接する植生−土壌系の物理的効を気候モデルに取り入れるこ
とが必須となっている。
過去数年間に、2,3の研究者が植生キャノピーと上空大気の間の熱・質量・運動量の交換のパラメタ化という重要な話題に
貢献してきた。たとえば、Crowan(1968),Thom(1972)を見よ。このパラメタ化には、葉による蒸発散(例えばMonteith,1975)
、土壌中の熱・水分移動過程(例えばPhilips(1957),Zdunkowskiら(1975b), McCumber&Pielke(1981))を含む。結合植生
−土壌モデルはDeardorff(1978)によって開発され、Dickinson(1984)がいつかの重要な改変を行った。最近の文献では、
Sellersら(1986)が広範囲なキャノピーモデルを提案し、そのモデルは植生の物理的特性とその待機への影響を計算する。
モデルの複雑性は多くの経験的なパラメータと、ハイレベルな計算機上での思考錯誤を必要とする。
本研究では、土壌−キャノピーモデルがDeardorff&Dickinsonの成果をベースに開発される。彼らのモデルは既に植生の
大気への基本的な物理的効果を含んでおり、数学的に非常に効率的に扱うことができる。これらの研究者は、およその表面
温度および土壌水分を導くため、いわゆるforce-restore法を適用したが、本研究では、まったく完全な多層土壌モデルを
紹介する。このモデルは、その2組の研究者に先立って行われた調査から導き出された(Sieversら1983)。McCumber&Pielkeの
土壌モデルと異なり、、土壌温度と水分含量用の2つの結合差分式の系を解くことにより、土壌中の熱と水分の移動の相互
作用が明示的に考慮されている。さらに、根系による水分吸収が含まれている。
植生モデルにはDeardorffが示したパラメタ化スキームが用いられる。しかしながら、植生と上空大気の間の熱・水蒸気
フラックスの決定は、キャノピー内での平均風速と同様に、大気安定度の効果を含んで改良されている。さらに、植生層内
の熱と水蒸気に関する2つの保存フラックス条件が用いられるため、大気モデルの温度と比湿についての下端条件の診断計
算を可能にし、Dickinsonと一致する。
新しい方法は、土壌表面におけるエネルギーと水蒸気の輸送についての3つの収支式と植生層のエネルギー状態を、Tl(葉温)、
Tg(土壌表面温度)、qG(土壌表面比湿)の3つの独立な変数で表現される結合システムとして扱うことで説明される。この
システムは繰り返し計算により同時に解かれる。多層土壌モデルを伴う本手法の応用は大気の下端境界条件のより現実的な
モデル化を生むはずである。
Smith,SD, Anderson,RJ, Oost,WA, Kraan,C, Maat,N, DeCosmo,J, Katsaros,KB, Davidson,KL, Bumke,K, Hasse,L,
Chadwick,HM (1992) Sea surface wind stress and drag coefficients: The hexos results, BLM 60, 109-142.
タイトル:海面風速応力と剪断応力係数:HEXOSの結果
海上水蒸気交換プログラム(HEXOS、Katsarosら1987,Smithら1983)は、海から大気への水の輸送に関する野外観測、室内
実験、理論的研究の協調から成立した。HEXOSの主な野外観測(HEXMAX)において、水蒸気フラックスと飛沫水滴は、風速応
力、熱フラックス、海の状態、境界層高度およびその他の補助的なパラメータとともに測定された(Smithら1990)。本プロ
グラムは第一義として、水蒸気交換を研究することを意図し、水蒸気フラックスと水蒸気測定法に関する結果はDeCosmoら(1992)
とKatsarosら(1992)によって報告されている。
HEXMAXは1986年の10月6日〜11月28日の間、オランダ沖のプラットホームMeetpost Noordwijk(MPN)およびその近傍で行
われた。MPNにおける蒸発、熱フラックス、風応力の渦フラックス測定と散逸測定、および、水滴と補助的なパラメータの
測定が観測の核心であった。周囲の領域は船舶、三脚式マスト、航空機、および海岸における機器を用いて研究された。
Sugita,M, Brutsaert,W (1992) The stability functions in the bulk similarity formulation for the unstable
boundary layer, BLM 61, 65-80.
タイトル:不安定境界層向けのバルク相似則における安定度関数
イントロ:不安定大気境界層中の顕熱と運動量の表面フラックスを記述するバルク相似則は以下のように記述される。
(式略)
表面温位、混合層(すなわち表面境界層トップと逆転層下端の間の)平均温位、混合層中の平均風速、カルマン定数、大気密度、
定圧比熱、ゼロ面修正量、顕熱粗度長、運動量粗度長、モニンオブコフ長で表現され、安定度パラメータの関数を含む。不安定
条件では、高度に伴う風向の変化は、ほとんど必然的にない。したがって、運動量のバルク相似式は速度の変わりに、風速
を用いたスカラー式と解釈される。添え字のwはこのことを示しているつもりである。表面温位と顕熱粗度長についての添え字
のrは、表面温度が放射測定によって得られたこを示す。顕熱粗度長は表面の性質のみの関数ではなく、表面温度がどのよう
に測定されたかにも支配される。
上式のような相似則の乱流流れや乱流輸送の記述への実装はよい観測データに決定的に依存する。ABLの外側の領域では、
これらは、ゆっくりとしか前に進んでいない。したがって、利用可能になったあらゆる新しい情報を利用するようになることは
重大なことである。最初のISLSCP(国際衛星陸面気候プロジェクト)の野外観測は、1987の夏と秋に行われた。すなわち、
FIFE-87である。この観測により、良質のデータセットが作られ、大気−陸面の境界面における異なる輸送現象を含んでいた。
以前の研究(Brutsaert,Sugita1991、以下ではIと表す)では、このデータセットからのデータが上述の安定度関数の検証に
用いられ、これにより、領域スケールの顕熱・運動量の表面フラックスのシミュレーションが、次々に、可能となった。
しかしながら、その後、初期の発見の更新を要求するような2つの進展がもたらされた。ひとつはFIFE-89(たとえばMurphyら
1991)であった。これは、FIFE-87の延長であり、1989年の夏期終期に、湿潤期から乾燥期への移行レジームを捕らえることを
目的として行われた。もうひとつは、表面境界層向けの改良型モニンオブコフ関数の定式化であり、Kader and Yaglom(1990)
の提案である(Brutsaert1992)。これらの関数によって、以前のものよりも、極端に不安定な条件下でより信頼できる表面
フラックスを見積もることが可能となった。
本研究の目的は、これらの最近の進展の光のもとで、安定度関数を再考し、より広範囲の条件下で適用可能とすることである。
Mahrt,L, Ek,M (1993) Spatial variability of turbulent fluxes and roughless lengths in HAPEX-MOBILIHY,
BLM 65, 381-400.
タイトル:HAPEX-MOBILIHYにおける乱流フラックスと粗度長の空間可変性
イントロ:HAPEX-MOBILIHY(Andreら1988,1989,1990)の第一の目標はラージスケールモデルへの適用のための陸面過程の
サブグリッド可変性の研究である。境界層フラックスの表面可変性への応答のより良い理解は、ラージスケールモデル中の
サブグリッド可変性のパラメタ化を改善する手助けとなるだろう。
HAPEX-MOBILIHY領域にいおける主な航空機飛行経路は平らなマツ林(leg H-G)、比較的平らな混合農地(leg G-F)、および、
起伏のある農地(leg F-E)を横切っている。そのような不均一性に対するブレンディング高度(Mason1988, Claussen1990,
Wood and Mason1991)は、理論的に混合層よりも高く、したがって、関連しない。各領域内では、さらなる表面不均一性が、
局所的な表面状態に流れを調節するには小さすぎるものも含む、より小さな様々なスケールにおいて、同時に生じている。
様々な空間スケールで同時に不均一性が生じるため、その他のモデル化の可能性はないのだが、既存の表面フラックスのパラ
メタ化は、正式には正当化されない。事実、表面境界層、粗度層、あるいは、界面境界層(Brutsaert1982を見よ)の平衡
コンセプトは、どこでも定義されることができない。このような条件が典型的な地表面なのである。
本研究は、観測された表面フラックスの空間化変性を調査する。用いられたフラックスは、HAPEX-MOBILHYの10日間の
晴天日であり、低空飛行が3つの領域を横切って行われ、雲活動が本質的に境界層上空にない時である。HAPEX-MOBILHYで
行われた以前の調査のほとんどは、1986年6月16日の詳細なケーススタディーとモデル比較であり(Noilhanら1991、Bougeaultら1991、
さらに、それらの中で参照されている)、森林と農地の間の表面エネルギーバランスにおける様々な項の違いを主に強調した。
引き続く本研究では、これらのケーススタディーに基づく結論を10日間の表面フラックス気候へ適用する。本研究はまた、
運動量フラックス、表面抵抗係数、表面粗度長の見積りを含む。
我々はまた、2日間の晴天日、1986年5月19日25日(Marht1991a,b)のマツ林上空125mの6つの120kmフライトを解析する。
この2日間は、大量のデータがあり、更地と様々な樹高によって校正される比較的僅かな不均一性の評価を可能とする。
第一に、この2日間の解析を手短かに行う。